サヤカ、シュン、世の中には、何か新しいことに挑戦したり、大きな目標に向かって努力をしていると、「そんなことやっても無駄だよ」「お前じゃ無理だ」と水を差してくる人がいる。自分は正しいと思っていることでも、それは違うと批判してくる人もいる。 “夢を殺す人”という意味で、そういった人のことをドリームキラーと呼んだりする。

悪意があってそういったことを言ってくる人たちは相手にしないのが一番だけど、中には善意から言ってくる人もいるから厄介だ。そういった人は、その人が持つ“常識”と違う行動をしている人に対して、”善意のおせっかい“をしているわけだ。

常識とは

人は誰でも“常識”を持っている。常識とはその人が正しいと信じている世の中のルールや仕組み、知識のことだ。人間は将来のことを予測して行動することができるけど、それも世界がどのように動くかという知識(=常識)を持っているからだ。

人は大人になっていく中で、その人が育った文化や身近な人の考え方を自分の中に取り込み、常識を作り上げる。常識はその人にとって絶対的に正しいと感じるものだから、その常識から外れた行動をしている人を見ると「間違っている」「悪いことをしている」と感じてしまう。でも、育った環境や立場が違えば、世界の見え方が違っているから人によって常識は違うものなんだ。だから人と人の意見が食い違ったり、衝突して人間関係のいざこざが起こる原因となったりする。

でも、アインシュタインが「常識とは 18 歳までに身につけた偏見のコレクションのことだ(Common sense is the collection of prejudices acquired by age eighteen.)」と言っているように、常識というのは偏見、つまりそれを信じている人にとってしか正しいものでないんだ。

誰かを批判したくなったら

誰かに批判されるだけでなく、自分の常識に従って誰かを否定したくなることもよくある。自分の持っている常識とは違う行動をする人を見て「なんであんなことをするんだ」と、その人を批判や攻撃したくなる。つまり、誰もが気づかないうちに他の誰かのドリームキラーになってしまっているというわけだ。

世の中を良くしたいという動機があって誰かを批判したくなったときには特に注意が必要だ。社会のルールを破る人を目にしたとき「あんな人がいなければ世の中はもっとよくなるはずなのに」と感じるかもしれない。そのようなときは正義の名のもとに他人を激しく攻撃してしまいがちだ。

そんなときは「もしかしたらこれは自分の常識に縛られた考え方なのかもしれない」と思い直す機会にしてほしい。もしかしたらそのルール自体がおかしかったり、時代にそぐわないものになっているかもしれないからね。

世の中を良くしたいという思いは素晴らしいかもしれないけど、そこには落とし穴もあることに気を付けてほしい。特に日本は同調圧力といって、他人と同じであることを強制する風潮があるから注意が必要だ。

常識が違う人との共存

常識が違う人がいると意見がぶつかることがある。でも、異なる意見をぶつけ合うこと自体は悪いことじゃない。違う意見がぶつかることで新たな視点が得られたり、新しいアイディアが生まれたりすることもあるからね。でも自分が正しいと信じ込んでいると、相手を言い負かしてやろう、相手を変えてやろうと躍起になってしまうから危険だ。そうなると相手を論破することが目的になってしまって、より良いアイディアを得る機会を失ってしまう。

世の中にはどうやっても分かり合えない人もいるということは覚えておいたほうがいい。世の中にはたった1つの真実があるわけじゃないんだ。立場によって正しさは違うし、いくつもの正義がある。意見が違う人がいることを認めて、そういった人とは距離をおけばいい。誰とでも仲良くするのは無理なことだ。考えの違う人から距離を置くというのは、その人を尊重することでもあると父さんは思っている。

まとめ

今日の話で伝えたかったのは(1)批判されても自分が信じた道を生きてほしいということ、(2)自分と違う常識を持つ人を簡単に否定しないこと、この2つの点だ。特に誰かを批判したくなったとき、もしかしたら自分の常識に縛られてしまっているかもしれないと思い返してもらいたい。

今の時代はとても変化が激しいから、以前は正しかったことが時間とともに間違いになるということもある。以前と同じことを続けていたら知らないうちに取り残されてしまうということも起こるだろう。常識に縛られないとは、常に変化していく世の中で、変化を受け入れる姿勢を持ち続けることだと思う。サヤカとシュンにはそのような姿勢を身につけてもらいたいと思っている。

もしかしたら自分を変えることを”自分の負け”を認めたことのように感じるかもしれない。でもそれは間違いだ。生きていく上で自分を信じること、自信を持つことは大切だけど、自分の意見を変えないで固執することは自信をもつということではない。どんな状況でも変化していける、良くなっていける、成長していけるという思いを持つことが自信を持つということなんだと父さんは思う。

今日の話はこれでおしまい。じゃあ、またね。