サヤカ、シュン、今日は自分の考えを持つことは大切だという話をしようと思う。「自分の考えや意見を持つのは大切」と聞いて、「当たり前だよ」と思うだろうか?最近の学校教育では積極的に自分の考えを述べさせるような指導がされているから、そう思ったかもしれない。でも一方で、なかなか自分の意見を持てないという人もいるんじゃないかと思う。今日はなぜ自分の考えを持てない人がいるのか、そういった人が意見を持てるようになるにはどうしたらいいかを話していこうと思う。

自分の意見がない人

日本人には自分の意見をあまり言わない人が多い。実は父さんも大学生になるくらいまで自分の意見を主張することが苦手だったんだ。今では違うけど、若いときは何か意見を言って、それが間違っている指摘されることを極端に恐れていたように思う。おそらく学校の授業なんかで、間違ったことを言うと笑われたりするからかもしれない。自分の意見を言わない人は父さんのように間違いを犯すことに恐怖心を持っているんじゃないかな。とくに親や教師の言うことを聞く「良い子」はその傾向があるように思う。

別の理由としては、考えがあってもすぐに言葉にならないからということもあるのだろう。どんな人にでも「思い」はあるはずだけど、自分の意見を言えない人は日ごろから自分の気持ちを言葉にする習慣があまりないから、すぐに言葉が出て来ないんじゃないかな。

それじゃあ、そもそも自分の意見は持つべきなんだろうか?父さんの考えでは、「意見を持つこととそれを表明することは違うし、あえて意見を言わなくてもいい。でも、言葉で自分の意見を文章など言葉にしてまとめておくことはとても大切だ」と思っている。

では、父さんがこう思う理由を話していこう。

自分の意見を文章にまとめるべき3つの理由

1.自分で考える訓練になる

人間は考えるとき言葉を使う。最初はもやもやとした心の状態を、言葉に置き換えていくことで、ぼんやりとした「思い」が次第に具体的な「考え」になっていく。頭の中を整理して、言葉でまとめていくことであやふやだった思考をより具体的なものしていく過程は、考える訓練そのものなんだ。考えることは、人生を主体的に生きることにつながる。主体的に生きるとは、自分の意思・考えに基づいて人生の方向を決める、つまり選択肢を選んでいくということだ。これは以前話した「自分の人生に責任を持つ」ということにも通じる。だから、自分の意見をまとめるという作業は大切だと思う。

2.感情をコントロールしやすくなる

自分の感情や思いを言葉で表現することで、感情をコントロールできるようにもなる。世の中にはなぜがいつも機嫌が悪い人がいるけど、そういった人は感情をコントロールできていないんだろう。何となくネガティブな感情があるけど、それがなぜか分からない。不機嫌の理由が分からなかったらコントロールしようがないよね。誰かが「自分の機嫌は自分で取る」と言っていたけど、まさにそれは大切なことだと思う。そして感情をコントロールするには、自分の状態を具体的な言葉で表現することが有効なんだ。

3.自分のことをより良く知ることができる

言葉にすることで、それまでは気付かなかった自分の思いに気づくこともある。サヤカとシュンも将来、自分の状態を言葉で説明したとき、それまでモヤモヤしていた気持ちが晴れ渡ったという経験をするかもしれない。父さんはそういった経験がある。

父さんは以前、勉強や仕事で他人に勝ちたいという気持ちが強かったんだ。でもあるとき「自分は他人からすごいと思われたい」という気持ちが強いことに気づいた。その自分に対する説明がとても腑に落ちたと同時に「すごいと思われる必要があるのかな?」と疑問にも思ったんだ。家族や友人など、自分が大切な人と楽しく暮らせるなら、見ず知らずの人からすごいと思われる必要なんてないんじゃないかと思い直した時、それまで抱えていた競争心が消えていったのを覚えている。

人間というのは、自分のことを知っているようで気づいていないことも多いんだ。何かの強い衝動に突き動かされいたとしても、その正体が分からないうちは、自分の行動が本当に求めているものかどうかは分からない。自分の気持ちの理由をはっきりと言葉で説明してはじめて、自分が求めているものが分かる。そして自分のことをより深く理解できるようになる。言葉にはそんな力があると思う。だから、自分の思いを言葉にすることは大切なんだ。

どうしたらいいか(アクションプラン)

思考を訓練し、自分のことを知るにはある程度長い文章を書く必要がある。単に感情を書き散らすのではなく、文章の構成を考えたり、自分の考えに対する理由も挙げる必要があるだろう。とは言うものの、いきなりはハードルが高いかもしれない。

最初は短文でもいいから、自分の気持ちや考えを言葉にしてみよう。日記をつけるのはうってつけの方法だ。好き・嫌いといった感情だけでなく、その根拠や理由も書くようにしよう。理由をつければ、それだけで立派な意見になる。

言葉を使って考えることは人間にしかできないことだ。より高いレベルでの思考をするために言葉は欠かせない。自分の本当の気持ちに気づき、人生で正しい選択をするためにも、言葉で自分の考えを表現することは大切なんだ

今日の話はこれでおしまい。じゃあ、またね。