
サヤカ、シュン、今日はホスピス医として3500人もの患者をみとってきた小澤竹俊さんの著書『もしあと1年で人生が終わるとしたら?』を読んで、大切だと感じたところを伝えていきたいと思う。
ホスピスとは、末期がんなど治療が不可能な病気を抱えている患者さんが病気の完治を目指すのではなく、苦痛を軽減して残された人生の日々を穏やかに過ごす施設のことだ。そういったホスピスで勤務されている著者の小澤さんは、入所者と接しているなかで「もっとこうしておけばよかった」「こんなふうに生きればよかった」と自分の人生を後悔している人が多いことに気づいたそうだ。
その経験から、どうしたら死を前にして自分の人生に後悔をしない生き方ができるのかという提言をされている。
若いうちは、死ぬことなんて考えることもないだろうし、考えたくもないと思うけど、この本に書かれていることは年齢に関係なく大切なこと、むしろ若いうちから知っておいたほうがいいと父さんは思う。それでは内容に入っていこう。
人生でやりたいことリストを作る

「あなたの余命が1年だとして、何をやりたいですか?」と質問すると多くの場合、「自分の生きた証を残したい」「旅行に行きたい」「ずっと会えていない人に会いたい」といった希望が出てくるそうだ。
こういった「やりたいこと」を思い切ってやってみることが後悔のない人生を送るために大切だと著者の小澤さんは言う。実際にやってみて、たとえ期待したようなものでなかったとしても、「やっておけばよかった」と思いながら死ぬよりも、「やってみたけど、たいしたことじゃなかったな」と思って死ぬ方が何倍もマシだからだ。
だから人生で「これは絶対にやりたい」と思うことをリストにしておこう。そしてチャンスがあれば実際に行動に移すことだ。父さんが残りの人生でやりたいと思っていることの1つは家族でグランドキャニオンに行くことだ。サヤカとシュンと一緒にアメリカの大自然に触れたいと思っているんだ。
いつでも新しいことに挑戦してみる

とは言うものの「お金がかかる」、「仕事を休めない」、「自分は歳だし今さら遅い」など、いろんな理由をつけて「やりたい」を実行できない人が多い。
実際、「あと1年で人生が終わる」と分かったとき、「悔いが残らないように生きよう」と前向きになる人と「あと1年なら何をやってもダメだ」とあきらめてしまう人に分かれるそうだ。でも、いくつになっても新しい一歩を踏み出すことが後悔のない人生を生きるために重要だ。
人間というのは未来に希望を持てなければ今日1日を大切に過ごすことができない存在だ。今やっている行動の先に、今より良い未来が見えているから人は頑張れる。人間は自分の成長を感じ未来がもっとよくなっていると思えると、今を生きることに活力が湧いてくるものだ。
もちろん挑戦してもうまくいかないこともあるだろう。努力は必ずしも報われるとは限らない。だけど努力をした事実は残る。人生を後悔しないためには、結果がどうこうではなく、死ぬまでの時間を楽しめたかどうかが重要なんだ。父さんが常々言っているけど「人生楽しんだ者勝ち」だ。だから「うまくいかないかも」と尻込みするのではなく、とにかくやってみることだ。
そして努力をする過程で人は必ず何かを学んでいる。新しいことを学ぶことは成長であり、楽しいことだ。自分が成長できるなら、どんなことでも充実感を感じられる。そうやって本気になって人生を楽しんでいれば、未練なく死を迎えることができると父さんは思っている。
人生の悩みの多くは大したことではない

「人生における悩みの9割は人間関係」と言われるように、人生の問題の大半は他人との関係から生じる。特に自分の容姿や能力を他人と比較して、自分の方が優れているとか、自分の方が劣っているとか、そういったことで一喜一憂してしまう。だけど、誰かと競争したり、他者と自分を比較しているうちは心に平和が訪れることはない。
そんなとき「もし1年で人生が終わるなら、今悩んでいることで悩むだろうか」と考えてみよう。人は死を前にすると、「あの人と比べて能力が低い」などということには悩まなくなるものだ。他人との比較に一喜一憂することがくだらないことに気づく。
このように死を目の前にすると、どうでもいい悩みが消え失せて、本当に大切なことが見えてくる。実際に死を目の前にしなくても、自分が死ぬことを考えると、人生で本当に大切なことが見えてくる。そういった意味で、若いときから「死」について考えることは意味があるんだ。
誰かのために生きる

お金や名声といった、世の中で言われている“成功”を追い求めても人は幸せになれるとは限らない。お金や名声があっても、家族や友人を失い、孤独な状況にあれば確実に不幸だろう。人間は他の人とのつながりの中で自分の人生に意味を見出すものだから、自分のためだけに何かをやっても大きな幸福感は得られないんだ。
ここで覚えておいてほしいことがある。それは①「成功」と「達成」は違うということ、そして②人生で過度に「成功」を追い求めてはいけない、ということだ。
何かを達成しても、自分よりも上の人がいれば自分のことを「成功者」と見ることができないように、成功とは他人との比較で生まれる概念だ。それに対して「達成」は目標に到達したかどうかであって、他人との比較は関係ない。何か目標を立てて、それを達成するために努力することは大切なことだ。だけどその目標がそもそも、「成功者と思われたい」といった他人の目を気にしてのものであれば、その努力は幸福には結びつかないよ。
実を言うと、父さんも「成功」と「達成」の区別はこれまでちゃんとできていなかったんだ。これまでにも人生の成功についての話(記事)をいくつか書いてきたけど、父さんがサヤカとシュンに目指してほしいのは「成功」ではなく、いろんなことに挑戦すること、そして目標を「達成」することで人生を楽しむことだ。
その目標は、最初は自分のためであっても構わない。でも年齢を重ねていくにつれて、周りにいる大切な人と一緒に喜べるようなことを目標にしていくことが後悔しない人生を生きる上で大切なんじゃないかなと思うよ。
さいごに
今日の話はちょっと重い内容で、面と向かってはなかなか話しづらいことだけど、今日の話がこれから生きていく上で役に立つと思う。
それじゃあ、またね。


