今日は失敗に対する考え方について話をしようと思う。誰でも失敗はしたくないと思っているけど、「必要以上に失敗することを恐れていると人生で損をしてしまうよ」という内容だ。
失敗しない人=挑戦しない人

大小の差はあっても全く失敗をしたことがない人はいないだろうけど、大きな失敗や挫折を経験したことがない人はいる。もしかしたら、すごい能力があって何でもこなしてしまうのかもしれないけど、多くの場合、そういった人は新しいことに挑戦しなかったり、嫌なことを避け続けてきたのだと思う。
人生で何かに挑戦してこなかった人は、「機会損失」といって、挑戦していれば手に入ったかもしれない成功を潜在的に失っていると考えることもできる。投資の話で言うと、株を買ったら損する可能性もあるけどお金が増える可能性もあるのに対して、何もしなければお金は減らないけど増えもしない。「プラスマイナスゼロならそれでいいじゃん」と思うかもしれないけど、そうじゃない。インフレリスクといってお金の価値は時代とともに減っていくわけだから、投資しなければ額面の金額は変わらなくても相対的にお金の価値は減っていく(100年前の1000円は、今の1000円よりずっと高い価値があったことを考えれば分かるでしょ)。それと同じように、成功も失敗もなく何の進歩もないということは、周りの人の成長に置いて行かれるから相対的にマイナスになるんだ。
あとでも話すけど、失敗することはマイナスではなく、成長するきっかけになるというプラスの側面がある。だから失敗を恐れて挑戦せずに何もしないことはマイナスなんだ。挑戦していれば必ずいつか失敗する(絶対に失敗しないことは挑戦と言わないからね)。だから、失敗のない人生が失敗と言えるかもしれない(うまいこと言ったでしょ😀?)。
『死ぬこと以外かすり傷』というタイトルの本があるけど、命に係わることでなければ挑戦してみるといった気概を持っていいんじゃないかなと思う。実際には他人の目が気になるからなかなか行動に移せないかもしれないけど、最終的に他人は自分の人生には関係がない。これは「他人のことなんて考えなくていい」と言っているわけじゃなくて、他人がどう感じるかはこちらにはコントロールできないのだから、他人の目は気にし過ぎなくていいということだ。そして自分の人生には自分で責任を持たないといけない。
人生を終えるとき人はどんな後悔をするかを調べた研究によると、そのなかに「もっと挑戦しておけばよかった」という後悔があるそうだ。逆に「あんなことをしなければよかった」とやったことを後悔する人は多くない。たとえ大きな失敗をしたとしても、後から振り返れば笑い話になるものだ。だから失敗を恐れず、いろんなことに挑戦してみるといい。
失敗したときにどう立ち直るか

失敗したあと、しばらくは気分が落ち込んでしまうかもしれない。大切に思っていたことなら尚更だ。それは自然な反応だから仕方がないことだけど、時間とともにその辛い気持ちは和らいでくる。だから失敗して落ち込んだなら、しばらく時間を置いてみるといい。
気持ちを落ち着かせるにはマインドフルネス瞑想をすることがおすすめだ。やり方については以前、話をしたと思う。マインドフルネス瞑想は絶対に身に付けるべき習慣の1つだから、もう一度そちらを見直しておいてほしい。
精神的な辛さがひと段落したら、次の行動を決めよう。失敗を活かして別の方法を試すなど挑戦を続けるか、あきらめて別の道に進むかを選ぶことになる。以前にも話をしたけど、あきらめることは悪いとは限らない。挑戦した結果、「この道は違うな」と思えば方向転換すればいい。
失敗の効用

若いときは失敗の経験も少ないから、ちょっとした失敗にも落ち込んでしまうかもしれない。でも失敗を重ねることで、ちょっとくらい失敗しても動じなくなる。その人のキャパシティ(許容度)のことを「器の大きさ」と言ったりするけど、「器の大きさ」はどれだけ失敗から立ち直ってきたかによるんじゃないだろうか。
すぐに傷ついてしまうような、とても敏感な人を心理学ではHyper Sensitive Person (HSP)と呼んだりするけど、父さんも若いときはHSPだったと思っている。今ではある程度、神経が図太くなったけど、それは失敗や成功を積み重ねてきた結果だと思う。誰であっても、挑戦し失敗と成功を経験していけば、神経が図太くなって腹が据わるんじゃないかな。
人は失敗からしか学ばない

失敗にはまた別の効用がある。それは失敗が成長のきっかけになるということだ。人間は成功したときは有頂天になったり、「自分がすごいから成功できたんだ」と自分に都合のいい理由をつけて解釈してしまう。本当は、偶然成功しただけかもしれないし、気付いていないだけで誰かの手助けがあったのかもしれない。これでは成功は続かないだろう。それに対して、失敗して痛みを感じると、次は同じ経験をしたくないから、「失敗の原因は何か」「成功するにはどうしたらいいか」を必死で考える。それによって新しい解決法が見つかることもある。つまり人間は失敗したときに学ぶわけだ。
また失敗によって心の痛みを経験することで、将来、同じように失敗をした人の気持ちが理解できるようになる。言うまでもなく他人の気持ちが理解できることはとても大切なことだ。そして相手の気持ちに寄り添うためには、頭での理解ではなく、実感としてその痛みを感じられないといけない。そのためには自分自身が失敗した経験が必要なんだ。成功した人には謙虚な人が多いけど、それはいろいろな試練を乗り越えてくる中で多くの失敗と痛みを経験したからじゃないかなと思う。
先の見える人生はつまらない

人生を長く生きていると、10年前、20年前には思ってもいなかった場所にたどり着くものだ。つまり人生は思い通りにならないわけだけど、それが面白いところでもある。父さんの今の状況も、高校生や大学生のときに思い描いていた将来像とは全く違うものだ。でも父さんは自分の人生に満足しているよ。
人間は将来を知りたいと願う一方で、もし先が分かってしまったら面白くないと思う。望ましくない未来が確定していたら人は絶望してしまうだろうしね。だから先が見えないことは“救い”でもあると思うんだ。
以前、タルムードの話でもしたけど、一時的にうまくいかなかったと思える出来事でも、それが将来良い方向に向かうかもしれない。その人生のジグザグ道を楽しみながら歩んでほしいというのが父さんからのメッセージだ。
今日の話はこれでおしまい。じゃあ、またね。


