
前回は短い時間で効率的に本を読んで情報を得るための読書法について話をしたけど、今日は読み飛ばして読めないような難しい本を読む方法について話をしようと思う。世の中にはとても重要なことが書いてあるけど、理解が難しい難解な本があるんだ。一般に「名著」と呼ばれるような評価の高い本のなかにはそういった本が多い。そのような難解だけど重要な本は効率を求めるのではなく、じっくりと何度も読むのがいい。そうすることで自分の頭が鍛えられる。
とは言っても全く内容が分からないのでは読む気にもなれないだろうから、難しい本を読むための具体的な方法についてアドバイスをしていこうと思う。
本を選ぶ
まずは手にした本が読む価値があるのかどうかは見極める必要がある。ある本が気になったということは、その本のタイトルや著者に何かしら興味を惹かれるところがあったからだと思う。そこを少し掘り下げて、本を読む前になぜこの本を読みたいと思ったのかを明らかにしよう。これは前回も話した“本を読む目的を決める”ということだ。
つぎにもくじを見たりパラパラとページをめくって内容が面白そうかどうかを判断する。このように本を「眺めて」みて面白くない、もしくは内容の論理構造がしっかりしていないと思ったらその本は読まないと決めよう。論理構造がしっかりしていない本は、著者自身、考えがまとまっていない証拠なので読むだけ無駄だ。少なくとも時間をかけて読む価値がある“名著”ではない。そのような本は“つまみ読み”くらいにして、じっくりとは読まないようにしよう。
2回に分けて読む
これも前回の話と同じだけど、一度で内容を理解しようとしないことがポイントだ。少なくとも2回に分けて読むことをお勧めする。
1回目:通し読み
まず1回目の通読では全体に目を通して、内容の大まかなイメージを得ることを目標にする。そのときどこにどのようなことが書いてあるかをチェックして、付箋を貼ったりノートにメモしたりしよう。これが難解な本を読むための「地図」となる。さらに頭に浮かんだ考えや、疑問に思ったことも積極的に書き残しておこう。これはとても大切なことだ。
2回目:詳細読み
一度、全体に目を通して「地図」が手に入ったら、二回目の読書に入る。このときようやく詳細までじっくりと読んでいく。とくに1回目の通し読みで疑問に思った個所は詳しく読む。その疑問に対する答えが見つかったら、それを付箋やノートに自分の言葉で書き留めておく。
長い本の場合は章ごとに「通し読み」→「詳細読み」を行ってもいい。
読んだ内容をまとめる
詳細読みが終わったら、読んだ部分に関して自分の言葉で内容を説明できるかチェックしてみよう。これは意外と難しいことだ。おそらく一度の詳細読みでは説明できないんじゃないかと思う。そのときは再び本を開いて内容を見直し、再度、自分の言葉でまとめてみよう。これは脳に汗をかくような大変な作業なんだけど、これをするとしないとでは大きな差が出るから必ずやってほしい。
読んだ内容をまとめるときのポイントを挙げると以下のようなことがある。
- 本の内容を自分の言葉でまとめる
- 主張の内容とその理由を明らかにする(論理関係)
- 重要だと感じる文を見つけたらページ数とともに書き写しておく
- 繰り返し使われる言葉(キーワード)を抜き出す
- 知らなかった用語や概念などを書き出し、内容を調べて書き記しておく
- 思いついたことや疑問に思ったことを書き留める
著者の主張の論理構造を明らかにするにはマインドマップを使うのはとても効果的だ。マインドマップを使った読書方法については以前話をしたからそちらを見てほしい。
内容が分からないときどうするか
難解な本は文字通り、読んでいて書いてある内容が分からない部分が出てくると思う。そのようなときは、なぜ分からないのか分析してみよう。
用語や概念が分からない
その用語や概念の説明を見落としていないか本の前のほうを探してみよう。それでも見つからない場合はインターネットなどで調べてもいい。また、その分野で当然とされていることは説明されないことがあるので、そのような場合はその分野の入門書を見る必要がある。
論理展開が分からない
論理が複雑な場合や結論に至るまでに理由がいくつもある場合は、頭の中だけでその論理展開を考えていると頭がこんがらがってくる。そんなときは理由と結論のあいだの論理関係を図示するといい。図に書き出すことで理由と結論との関係性がはっきりして、理解しやすくなる。
前提が分からない
著者の立場や思い込みによって主張が偏っている場合もある。そのようなとき「なぜこの人はこう考えたのだろうか?」とその人の立場に立って考えてみるのは、頭のいいトレーニングになる。また本を読むとき、著者が言っていることは全て正しいと思うのではなく、批判的に読むことが大切だ。お笑い芸人のように、著者の意見にツッコミを入れながら読んでみると良い。単に粗探しをするのではなく、「自分ならこう考える」と自分の考えを提示してみるのはさらに良い読み方だと思う。
それでも分からない場合
どうしても分からない場合は飛ばして読めばいい。これは以前に話した「本の内容は全部理解しないといけない」という思い込みを捨てることに通じる。本は理解できない部分があったとしても、全体として理解できればいいんだ。もし、その部分が著者の主張の中心になるとても重要な内容で、そこが理解できないと全体も理解できない場合、まだその本を読むのは”時期ではない”といったんその本から離れるのも選択肢の1つだと思う。別の入門書を読んで関連する知識を学んだり、経験を積んで成長することでその内容を理解できる日がいつか来るだろう。その日のためにその本は本棚に置いておこう。
まとめ
本を読んで理解する能力を「読解力」っていうけど、この能力は他人の言うこと聞いて話の内容を理解したり、相手の気持ちを理解する能力にもつながってくるから、とても重要だ。難しい本を読むことはこの能力を高めるのにとてもいい方法だと思う。
また、読書を通じて先人の知恵を得たり、自分が経験していないことを疑似体験することができる。頭のいい人が時間をかけて考えた思考やその道すじを短い時間で自分のものにできるという点で、“名著”と呼ばれる本を読むことは自己投資としてとてもコストパフォーマンスが高いことだよ。
今日の話はこれでおしまい。じゃあ、またね。



