前回は読書にまつわる誤解について話をしたけど、今回は実際にどうやって本を読んでいくのかについて話をしようと思う。特に情報・知識の取得やスキル習得といったことを目的として本を読むときに、どうしたら効率的に本ができるのかについて話をしようと思う。娯楽として本を読む場合は効率なんか気にせず読めばいいので、その点は注意してほしい。

1.本を読む目的を決める

マンガや小説は内容が面白いから読むわけで、読むこと自体が目的と言える。そういった本は別に効率的に読む必要はないから、自分の好きなように読めばいい。それに対して、何か将来役立てるために読書をする自己投資としての読書の場合、以下のような目的が一般的だと思う。

  1. 知識を得るため
  2. (何かを判断するための)情報を得るため
  3. スキルを習得するため
  4. 人間として成長するため

自己投資として読書する場合、まずはなぜその本を読むのかという目的を明確にすることが大切だ。それも上に挙げたような広い意味での目的ではなく、さらに内容を絞った目的を決めてそれを言葉にすることだ。たとえば勉強法に関する本を読もうとしているとする場合なら「効率的に勉強するにはどうしたらいいかを知る」と具体的な内容に踏み込んだ目標を設定することが大切だ。

本を読む目的を決めるというのは読書のゴールを決めることなんだ。読書のゴールとは「何がどうなったらその本を読み終えたと言えるのか」ということだ。それが決まっていなければ目的地を決めないまま行き当たりばったりの旅行をするようなもので終わりがない。「最後のページまで読んだら終わりだろう」と思うかもしれないけど、本を隅から隅まで完璧に理解するということは時間がかかるし、そもそも理解できない部分も出てくるだろう。また本を読み終えるころには最初のほうの内容を忘れてしまっていることもよくある。だから、本を読む目的を決めないで読み進めてしまうと、読み終えて「面白かった」とか「つまらなかった」といった感想は残っても、具体的な知識としてはあまり残らなかったりする。それでは時間をかけて本を読んだ意味があまりない。だから何が達成できればゴールと言えるのかという本を読む目的を、読み始める前にきちんと決めることだ。逆に言えば、その目的を達成すれば、本は全部読まなくてもいいということだ。

2.一回目の読書:サーチ読み

自己投資としての読書術では、できるだけ短い時間で大きな成果を得るといった読書の効率を考えることが大切だ。

効率的に本を読むためには、本を一度読んで理解しようとするのではなく何度かに分けて読むことだ。「それじゃあ余計に時間がかかるじゃん」と思うだろうけど、そうじゃない。逆説的だけど本を早く読むためには読まない部分を決めればいい。つまり最初に立てた目標の達成に必要ない部分は読まないことだ。そのためにまず本のどこに重要なことが書いてあるかを見つけることが必要になってくる。

なので一回目の読書としては、もくじを参考にして重要そうな場所に目星をつけ、パラパラとページをめくって自分にとって必要な情報が書いてありそうな場所に付箋を貼るんだ。このとき、本を「読む」のではなく「見る」といった感覚でページをめくっていくのがポイントだ。「そんなことで重要な部分が分かるの?」と思うかもしれないけど、文章をちゃんと読まなくても大事なことが書いてありそうな部分は直感的に分かるものなんだ。最初は直感が外れることが多いかもしれないけど、次第にできるようになるから心配はいらないよ。重要そうな箇所に付箋を貼っていき、目的達成に関係ある部分とそうでない部分を分けていく。このようにして関係ない部分はバッサリと切り捨てて読まないと決めることだ。

「切り捨てた部分に重要なことが書いてあるかも」と不安になるかもしれない。それに対しての答えは「気にしなくていい」だ。もちろん重要なところを見逃している可能性はあるけど、このあと話をする手順を終えた後、最初に決めた目的が達成できたなら、切り捨てた部分は必要はなかったと考えていい。逆に言うと、付箋を付けた部分に答えとなる内容が書いていなかったなら(つまり目的が達成できなかったら)、そのときはもう一度ページをめくって答えがありそうな場所を探せばいい。あくまでも最初に決めた目標が達成できたかどうかで、ちゃんと読めたかどうかを判断すればいい。

3.二回目の読書:新聞読み

新聞に書いてある全ての記事を読む人はほとんどいないだろう。多くの人は新聞を読むとき、見出し部分を見て、興味がある内容かどうかをまずは判断するよね。そして自分の興味がある記事だけを読むと思う。それと同じように二回目の読書では興味がある部分をしっかりと読んでいく。一回目の読書で自分の興味がある“見出し”部分に付箋が貼ってあるので、そこの“記事”を読んでいくような感じだ。

基本的には一回目の通し読みで“当たり”をつけた部分だけを読んでいくわけだけど、途中で新たに関連する部分を見つけたらそれは読んでいい。逆に言うと、面白そうな内容でも当初の目的と違う場合はそこを読んで脱線しないようにしたほうがいい。

二回目の読書では内容をじっくり読みながら、最初に決めた本を読む目的に関連する内容が書いている部分の内容を大きめの付箋に自分の言葉で簡単にまとめておくといい。このまとめは次のステップで使うことになる。

4.読んだ内容を自分の言葉でまとめる

自己投資としての読書では「読んで終わり」ではなく、読書した内容をどう活用するかが一番重要になる。

そのための良い方法は読書ノートを作成することだ。さきほど、読みながら内容を大きな付箋に自分の言葉でまとめることをお勧めしたけど、それを大きな紙やノートに張り付けていけば読書ノートが完成する。付箋のいいところは順番を簡単に変えることができるところだ。付箋は必ずしも本の順番通りに並べる必要はない。本には同じような内容、特に重要な内容は繰り返し述べられているものだ。ノートに付箋を貼りかえるときに、関連する内容の付箋メモはひとまとめにして貼っていこう。こうすることで本の内容がノートに自然とまとめられていく。

このとき付箋にはオリジナルのページ数を記入しておこう。本のどこの部分をまとめた内容なのかを後から知りたくなることがあるからね。

本を読んで感じたことや得られたアイディア、洞察などを自分の言葉でまとめる作業をすると、その本を読むことを通して得られた経験が自分の血肉になる。ノートに本の内容をまとめるのは時間と労力がかかるから嫌がる人もいるんだけど、自分の言葉でまとめるという作業は、より深く思考するために必要な作業だと思う。それに読んだだけだと内容の多くはすぐに忘れてしまう。それだとせっかく本を読んだのにもったいないし、時間を有効に使ったことにならないと思うんだ。重要な部分を自分の言葉でまとめることで、内容は自然に記憶に残るし、作成した読書ノートを時折、見返すことで内容を復習できる。自分の言葉でまとめられているので読み返したとき、すんなりと内容が頭に入ってくるだろう。こうすることで本の内容を自分の知識として蓄えることができる。

ポイントとしては、何でもかんでもまとめていっていると時間ばかり取られるので、本当に重要なところだけに絞ってまとめることだ。1冊の本で数か所に絞ってまとめればそれほど時間はかからないはずだ。

まとめ

今日は本を効率的に読む方法についてアドバイスをしてきた。今後、勉強や仕事で多くの本や資料を読まないといけないことがあると思う。そんなとき、今日の話の内容を思い出して、効率的に情報を得ることができるようになればいいなと思う。

今日の話はこれでおしまい。じゃあ、またね。