前回、初めて株式投資を始める人には投資信託がおすすめだと書きました。投資信託は100円からの積み立て投資ができるし、個別株を買うよりもリスクが小さいというメリットがあります。なかでもS&P500種指数に連動したインデックスファンドを買うのがおすすめです。

これは楽天証券のホームページに掲載されている投資信託ランキングですが、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)が1位になっています。

ただ投資信託にはいろいろな商品(銘柄)があり、株式投資に慣れてきたらS&P500のインデックスファンド以外の商品にも興味が出てくると思います。2021年5月6日現在、楽天証券では2688本の投資信託を扱っているとのことです。

今日は投資初心者に向けて、投資信託の銘柄を選ぶ際に注意したほうがいいポイントをまとめてみました。

1.購入時の手数料

楽天証券などのネット証券で取り扱っている投資信託商品の多くは「ノーロード」といって、買う時の手数料が無料のものが主流になりつつあります。野村証券など従来の店舗型証券会社で投資信託を購入する場合は、購入時手数料として購入額の数%が証券会社にとられてしまうので注意してください。

初めて投資をする人のなかには「いま消費税が10%も取られてるんだから、数%くらいはいいんじゃないの?」と思う人がいるかもしれませんが、それは間違いです。資産運用において「無駄な手数料は払わない」「手数料は低ければ低いほどいい」と思ってください。お金についての知識“マネーリテラシー”を持つということは、手数料などの割合に対する感覚を身につけるということでもあると思います。投資をして資産を増やしていく上で手数料に対する意識を高めていってください。

こう言う私も昔はATMで手数料を気にせず時間外に引き出すことがよくありました。1万円を引き出して100円、つまり1%の手数料を取られていたわけですが、今思えば「なんてもったいないことをしていたんだ」と感じます。

これから投資を始める人は必ず楽天証券やSBI証券など手数料が安いネット証券で投資商品を購入するようにしてください

2.維持コスト

投資信託を買って証券会社の口座で維持する際、信託報酬と呼ばれる維持コストがかかります。購入時コストと違って、維持コストは0円にはなりませんので、長期間投資するなら維持コストができるだけ低い商品を選ぶ必要があります。というのもこの維持コストは複利で掛かってきますから、長期になればなるほど、見た目の数値以上にコストがかさむことになります。投資信託の商品説明書である「目論見書」には信託報酬の割合(%)が記載されていますので、これを必ずチェックしてください。

また、維持コストには信託報酬のほかに「隠れコスト」というものがあって、実際の維持コストは目論見書に書いてある数値よりも高くなります。隠れコストは、ファンドが株式などを取引するときにかかる費用や、それを保管しておくためにかかる費用で、事前にどれくらいになるかはわかりません。ですので、信託報酬と隠れコストを合わせた実質コストは年1回発行される運用報告書を確認する必要があります。

私も隠れコストをどのように計算するか説明できるほどちゃんと理解していないのですが、証券口座に投資信託をもっておくためには信託報酬よりも高い維持コストがかかることを覚えておいてください。ちなみにeMAXIS Slim米国株式(S&P500)は目論見書で信託報酬が0.0968%とありますが、実際の手数料は0.1421%かかるようです(参考元:https://www.toushikiso.com/column/toushin/sbi-emaxis.html)。

3.信託期間

投資信託には運用期間(信託期間)が決まっているものがあります。運用が満了する日のことを償還日といいます。償還とは投資家にお金を返還することを意味します。最近の投資信託(特に定番のもの)は信託期間が無期限のものが多くなっています。株初心者にはインデックスファンドの長期投資がおすすめなので、信託期間が無期限のものを選ぶようにすればいいと思います。

4.純資産総額

純資産総額というのはその投資信託商品に対して集まっているお金の総額です。その投資信託を買っている人が多いほど、また出資している金額が多いほど、この純資産総額が多くなります。この純資産総額が多いほど、その商品を提供している証券会社の儲けも大きくなります。逆に言うと純資産総額が小さい商品、つまりあまり売れない商品は証券会社にとって儲けにならないので、償還日よりも前に運用がストップしてしまうことがあります。これを繰上償還といいます。

運用がストップすると、その時点での評価額で強制的に償還されてしまいます。もしその時点で元本割れしていたら、損失が確定してしまうので注意が必要です。繰上償還のリスクを避けるため、純資産額が数百億円を超える投資信託を選ぶようにしましょう。

5.アクティブ運用かパッシブ運用か

アクティブ運用の投資信託とは、証券会社に勤めるプロのトレーダーが複数の投資先を選んで1つの投資商品とし、市場の動きに合わせて投資割合を調節する投資信託です。人間が状況を判断して運用しているのでその分、人件費がかかり、手数料が高くなる傾向があります。

一方、パッシブ運用はインデックスファンドなど指数に連動した運用を目指す投資信託のことです。これまでお勧めしてきたeMAXIS Slim米国株式(S&P500)もその1つです。インデックスファンドはS&P500などの指数に連動して、コンピュータが自動的に株の売買を行ってくれるので、手数料がとても安いのが特徴です。

長期の投資成績を見ると、手数料が高い分、アクティブ運用はパッシブ運用よりもリターンが低くなると言われていますので、株初心者には手数料が安いパッシブ運用の投資信託(インデックスファンド)をお勧めします。

まとめ

これから株初心者が投資信託を選ぶ際、これら5つの点はチェックしたほうがいいかと思います。

ちなみに私が購入している投資信託は以下の5つになりますが、それぞれの信託報酬(隠れコストは含まない)と2021年5月現在の純資産総額を表にまとめてみました。いずれも運用期間は無期限、購入手数料は無料です。参考になれば幸いです。

 信託報酬純資産総額
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)0.0968%3945億円
eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)0.1144%1590億円
eMAXIS Slim新興国株式インデックス0.1870%607億円
eMAXIS Slim先進国株式インデックス0.1023%1975億円
楽天・全米株式インデックスファンド0.132%2568億円