
サヤカ、シュン、人生では不安や後悔、怒りといったネガティブな感情に襲われて、夜も眠れなくなることがあると思う。人間関係などで嫌なことがあれば、トラブルになった相手のことを思い出しては「あいつが悪い」とか「なんで自分がこんな目に合わないといけないんだ」と悶々としてしまう。会社で大きなプレゼンをしないといけないときは、「うまくいかなかったらどうしよう」と不安を抱えてしまう。何か大事なことでミスをしたら、「あんなことをしなければよかった」と失敗したことを後悔して心がざわつく。今日はそんなときに心を落ち着かせるとても効果的な方法を紹介しようと思う。その方法とはマインドフルネス瞑想という瞑想法だ。
瞑想と聞いて二人はどんなイメージを持つかな?お坊さんがお寺で座禅を組んでやるものというイメージだろうか?たしかにマインドフルネス瞑想は仏教で行われている瞑想がもとになっているんだけど、仏教の瞑想から宗教色を取り除いて、科学的なメンタルトレーニング法として開発されたものがマインドフルネス瞑想なんだ。つまり仏教の教えなど宗教的な教義はいっさい出て来ないから、宗教に対して抵抗があっても大丈夫だよ。
マインドフルネスとは何か

マインドフルネス瞑想は瞑想によってマインドフルネスの状態になろうとするものなんだけど、まずはマインドフルネスがどういう状態なのかを説明しよう。マインドフルネスの状態を一言で説明すると、今という瞬間に注意を向け、自分が感じている感覚や感情、思考を冷静に観察している心の状態のことということになる。もっと簡単に言えば、今この瞬間に起こっていることに気づいていることとも言える。そう言われてもチンプンカンプンだと思うから詳しく説明するね。
もともと仏教において自らの身体の細部や感覚、そして感情へ純粋な意識を向けて観察することを念(サティ)と呼んでいたそうだ。この仏教語を英語に訳す祭、適切な言葉がなかったため、マインドフルネス(mindfulness)と訳されることになったという経緯がある。でもカタカナでマインドフルネスと言われても、元の英語の意味を知らないから何のことかピンと来ないよね?
じゃあ、マインドフルネスの逆の状態、「マインドレス」という状態を考えてみよう。マインドレスとは注意が散漫な状態、ぼんやりしていて集中力がない状態であったり、過去に起こったことを延々と考えて後悔したり、将来の心配のことを心配したりといった「心ここにあらず」という状態のことなんだ。今日の話で最初に言ったネガティブな感情に襲われている状態はまさにマインドレスな状態といっていい。
そのようなネガティブな感情に襲われているときって、今現在のことではなく、過去に起こったことや未来に起こるかもしれないことを頭の中で想像しているものなんだ。つまり、心がざわつくのは、今この瞬間から離れたところに心がさまよっている場合がほとんどだ。だからその状態から抜け出すためには、”今この瞬間“に意識を向ければいいわけで、それを実践しようというのがマインドフルネス瞑想なんだ。
マインドフルネス瞑想の効果

マインドフルネス瞑想を行うといろいろと良い効果が出ることがすでに実証されている。いくつか例を挙げると
- 集中力が高まる
- 頭がすっきりする
- ストレスが低減・解消される
- 洞察力、直観力、創造力が高まる
- 生活の質が向上する
- 幸福感を感じる
といったことが起こると言われている。
YahooやGoogleといったアメリカの大企業での社員教育や、オリンピックに出るようなトップアスリートのメンタルトレーニングにも採用しているらしい。大企業は業績を上げることが至上命題だと思うけど、そのような大企業がこぞってマインドフルネス瞑想を取り入れているのは、それによって社員の働く意欲や生産性が向上するからだろう。心理カウンセリングでも取り入れられていているし、最近は日本でもブームになっていて、本屋に行けばマインドフルネス瞑想に関係する本はたくさん見つかると思う。
マインドフルネス瞑想のやり方
では早速、マインドフルネス瞑想のやり方を説明していこう。
マインドフルネス瞑想は基本的に、姿勢を正して、ただ自分のしている呼吸に注意を向ける。注意が呼吸から逸れたことに気づいたら、注意を再び呼吸に戻す。これをただ繰り返すだけだ。
そのとき注意すべきポイントは以下の通りだ。
ポイント1.姿勢を整える
- 椅子に腰かけ、背筋を伸ばす。背はもたれない
- 左右の坐骨に体重を均等に乗せ、下腹と骨盤の筋肉を使って骨盤を安定させる
- 背筋は伸ばしながらも、肩や首の力は抜いてリラックスする

ポイント2.ゆっくり呼吸をする
- 鼻から息を吸って、口から息を吐く
- できるだけゆっくり呼吸する
- 吸うよりも吐く時間を長くする(吸う時間 < 吐く時間)
- 吐くとき、(1)最初ゆっくり、(2)できるだけ長く、(3)最後まで息を吐ききることを意識する
- 目指すのは「深い呼吸」ではなく「細く長い呼吸」
ポイント3.呼吸に注意を向ける
- 呼吸にともなうお腹の膨らみやへこみ、鼻から入ってくる空気の温度などに注意を向ける
- その瞬間瞬間、どのような感じがするか注意を向け続ける
- 息を吸うときは、鼻から入ってくる空気の冷たさやお腹の膨らむ様子に注意を向ける
- 息を吐くときは、お腹がだんだんしぼんで背中のほうへ引き寄せられていく感覚に注意を向ける

ポイント4.コントロールしようとしない
- 積極的にリラックスしようとか、呼吸を意識的に深めようということはしない
- あれこれ考えることをやめて頭と身体のスイッチをオフにする
ポイント5.気づきと注意のコントロール
- 注意が逸れ、心(思考)が過去や未来、外の世界に向かったことに気づいたら呼吸に注意を引き戻す
ポイント6.価値判断しない
- 感じたもの、気づいたことに対して、良い・悪いといった評価や判断をしない
- うまく瞑想できないときでも、それに対して「自分はダメだ」と考えない





