
サヤカ、シュン、今日は「悩み」について話をしようと思う。トラブルや進路の選択など人生には悩みはつきもので、悩んだことのない人はいないはずだ。でもいくら悩んでも人生はいい方向に行くとは限らないし、むしろ悩むからいい方向に行かないと父さんは思っている。悩みから抜け出して、人生をいい方向に進めていくにはどうしたらいいかについて話をしたいと思う。
「悩む」と「考える」の違い

まず初めに「悩む」ことと「考える」ことの違いについて話そうと思う。両者を似たもの、もしくは同じものと思っている人がいるけど、この2つは違うことなんだ。
「悩む」というのは、うまく考えを進められていなかったり、答えに近づいている感じがない状態のことだと父さんは思っている。複数ある選択肢からどれを選んだらいいか分からない状態や「あちらを立てればこちらが立たず」という状態もそうだろう。決断に迷って時間だけが過ぎている状態がまさに「悩む」ということだと思う。
それに対して「考える」とは答えや結論を出すために具体的な思考が進んでいる状態のことだと思う。抽象的で分かりにくい説明かもしれないけど、「考える」とは答えを出すために、情報同士を結び付けて新しい情報(答え)を作り出すことなんだ。たとえば算数の問題を使って、「考える」という行為を考えてみよう。11×12の計算するときどうする?方法はいくつかあるけど1つの方法としては、11を10と1に分けて、それぞれ12と掛けると120と12になる。それを足した132が答えになる。これくらいなら暗算でもできるだろう。
じゃあ、1361×6291はどう?ソロバンを使いこなせる人なら暗算でもできるかもしれないけど、多くの人は暗算ではできないんじゃないかな。父さんも無理だ。でも紙とペンを使って筆算をするならほとんどの人が計算できるはずだ。筆算ならできるのに暗算だとできない。これはなぜだと思う?
暗算するには一時的に記憶しておかないといけない情報があるわけだけど、桁数が多くなるといくつもの情報を覚えきれなくなる。だから桁数が多い数字の暗算は難しいんだ。人の一時的な記憶のことをワーキングメモリと呼んだりするけど、その容量は限られていて、人は一度に5つくらいのことしか記憶できないと言われている。それに対して筆算であれば計算途中の情報をメモしておけるので、頭の中に記憶する必要がなくなるから、最後まで計算できるというわけ。ここから分かる大切なことは、人間は情報が多くなるとうまく考えることができなくなるといことだ。
悩んでいる人は頭の中だけで答えを探そうとしている場合が多く、答えを出すために思考が進んでいない状態になっている。思考が堂々巡りをしているんだ。答えがはっきり出るはずの算数の計算でさえ頭の中だけで考えていたら答えが出ないんだから、もっと多くの条件を考慮しないといけない人生の決断なんかは頭の中だけで考えていても答えが出ないのは当たり前だろう。そしていつまでも答えが出ないと悩み続けている。
紙とペンは最強の思考ツール

もう答えは見えたかと思うけど、悩みを解決するため、つまり「悩む」のではなく「考える」ためには、情報を一時的に書き出すツール、紙とペンを使いなさいというわけだ。
父さん常にノートとペンを必ず持ち歩くようにしていて、何か複雑なことを考えるときには書きながら考えることを習慣にしている。

これは父さんが使っているノートだけど、表紙に“124”とあるだろう。父さんがノートとペンを持ち歩くのを始めてからノートの表紙に通し番号をふっているんだけど、1,2カ月に1冊のペースでノートを使っていて、現在まで約10年以上、この習慣を継続している。一時期、スマホやタブレットを使ってデジタル化しようとしたこともあるんだけど、結局、元のこのスタイルに戻ったんだ。すぐに使えて、バッテリーの残量や壊れることを心配しなくていい紙とペンは「考える」ための最強ツールだと父さんは思っている。
紙とペンを使ってどのように考えるか、やり方を1つ話しておこう。まず、悩んでいることを書き出してみる。複数の選択肢に悩んでいるなら、それぞれの選択肢を書き出し、その横に選んだ時のメリット・デメリットや、それを選んだ時に起こるかもしれない最高のこと・最悪のことを書いてみる。そしてそれぞれのメリット・デメリットに得点を付けて、合計点が高い選択肢を選ぶということをすれば答えを決めることができる。この得点は自分の価値観に基づいて主観的に決めればいい。このように機械的に作業をしていき答えを導くというのは、悩みに対する効果的な対処法だと思うよ。
まとめ
今日伝えたいことを一言でまとめると「悩んでいる暇があったら考えろ」ということだ。悩んでいないで考える。そして具体的な行動に移すことが大切だ。人生ではいろいろと困難なことが起こり、答えが出ない状態に苦しむこともあるだろう。そんなときに頭の中だけで考えていたら、どんどん敵(悩み)は大きくなってしまう。自分が悩んでいるなと感じたら、紙とペンをもって立ち向かってほしい。
今日の話はこれでおしまい。じゃあ、またね。


