
ウチは3年前に引っ越しをしたから、サヤカとシュンは友達との別れも経験したと思う。仲の良かった誰かと別れることって、とても寂しいことだけど、父さんも昨日、仕事で一緒だった人との別れがあったんだ。ちょっと思うことがあったから、今日はその話をしようと思う。
仮にその人の名前を「石井さん」としておこう。ちょうど昨日、石井さんの送別会があった。父さんと石井さんは職場で上司-部下のような関係で、3年ほど前から父さんが石井さんをいろいろと指導していたんだけど、その石井さんが4月から異動で栃木に移ることになったんだ。石井さんは若い女性なんだけど、仕事でしばらくうまくいかない時期があって、仕事をやめようかと悩んだりしていたんだ。父さんたちはチームで働いているんだけど、周りのみんなが石井さんを支えて、その悪い時期を乗り越えることができた。
昨日の送別会で石井さんは「みんなと別れたくない」と涙を流していた。チームはみんな仲がよくて、とてもまとまっていたから別れがとても寂しいようだった。父さんに対しても「仕事ではいろいろと助けてくれてありがとうございました」と涙ぐんで言っていた。父さんが石井さんを指導していたのは仕事だから、当然のこととしてやっていたんだけど、改めて感謝されると「やってよかったな」という気持ちになるものだね。
送別会の後、その足で栃木に行くことになってたから、最後、駅の改札までみんなで見送りをしたんだけど、最後にチームの一人一人と握手をして改札の向こうに消えていった。石井さんと会うことはもうないかもしれないけど、おそらく父さんも石井さんも互いのことを忘れないだろうなと思う。
日本語で「お互い様」と言うように、人間は知らず知らずのうちに誰かに影響を与えているし、与えられてもいる。ときには迷惑をかけてしまうこともあるだろうけど、できれば周りにいい影響を与えられたらどんなに素晴らしいかと思う。自分の存在が誰かにいい影響を与えていたと感じることができれば、自分の存在意味を確認することにつながるからね。昨日の送別会で石井さんは父さんに感謝の言葉を言っていたけど「こちらこそありがとう」という気持ちが自然に湧いてきた。その瞬間、父さんも石井さんからいい影響を与えてもらっていたんだなと実感できたんだ。
「一期一会」や「人の縁」っていう言葉があるけど、人と人との出会いはありふれているように見えて本当は不思議なものだと思う。全人類が70億人以上もいるなかで、一生のうちで出会う人の数は本当に限られているんじゃないかな。だから人生の中で関わる人っていうのは誰でも”特別な人”だと父さんは思うんだ。
サヤカとシュンもこれからいろんな人と素敵な出会いがあるだろうけど、1つ1つの出会いを大切にして生きてもらいたいなと思う。
今日の話はこれでおしまい。じゃあね。
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