サヤカ、シュン、今日は多くの人が思い込んでいる「借金は悪いこと」という考えが本当は違うという話をしようと思う。

「悪いことじゃないなら借金は良いことなの?」と思うかもしれないけど、そんな単純なことではなくて、場合によって良くも悪くもなるということだ。どういったことなのかこれから詳しく説明していくね。

複利の力

前に複利の力はとても大きいという話をしたけれど、複利は何も投資や預貯金の場合だけでなく借金の場合も関係してくる。投資や預貯金の場合であれば複利は大きな味方になるけど、借金をする場合はとても恐ろしいものになるんだ。

ある消費者ローン会社のA社のホームページを見たところ、金利は最低で3%、最大で18%になると書いてあった。投資で現実的に狙える金利が4~5%と言われているから、金利18%というのがものすごい大きさだと分かるよね。元の借金がその複利で増えていく。ということは一度、短期間で返せない額を借金してしまったら、返しても返しても借金が減っていかないという事態に陥ってしまうんだ。お金を返しているのに、借金が減るどころか雪だるま式に借金が膨れ上がっていくことにもなる。

ここでも複利の力は恐ろしく大きくて、特に借金をする場合はその力を舐めてはいけないことが分かると思う。

リボルビング払いの罠

将来、クレジットカードを使うようになったらリボルビング払い(通称、リボ払い)にするかどうかとカード会社から聞かれることがあると思う。まずは結論から言うけど絶対にリボルビング払いを選択してはいけない。これは絶対の絶対だ。

まず「リボルビング払いとは何か?」だけど、リボ払いとは毎月の支払額を一定の金額に固定して、金利とともに返済していくというものだ。よく似た支払方法に分割払いというものがあるけど、これは支払回数を決めて支払うというものだ。

たとえばクレジットカードで10万円の買い物をしたとき、一度には返せないけど毎月1万円ずつなら返済できるというケースを考えよう。リボ払いなら毎月1万円の返済に設定すればいいし、分割払いなら10回の分割にすればいい。ここまでは同じだけど、新たにクレジットカードで別の何かを買ったらどうなるだろう。リボ払いの場合は毎月の返済額は変わらず1万円で、返す期間が長くなる。一方、分割払いのほうは新たに買った分の返済はしないといけないから毎月の支払額は1万円以上になる。

こう言うと「リボ払いって、返済額が増えないから便利そう」に見えるけど、それは大間違いだ。リボ払いも分割払いも返済残高に対して金利がかかる、つまり複利で借金が増える。複利の力はお金を借りている・貸している期間が長くなればなるほど大きくなるというのはもう分かっていると思うけど、リボ払いはできるだけ借金している期間を長引かせてより多くのお金を消費者に払わせる金融会社の罠なんだ。クレジットカードの支払額が増えているのに返済額が一定だったら返すために必要な期間は当然長くなるよね。その結果、利息が複利でどんどん増えていくことになるんだ。「リボ払いにすると毎月同じ金額を返済すればいいから毎月の支払が見通せていいわ」なんて思ってはいけない。気づかないうちに必要以上のお金を払わされているんだからね。

リボ払いは一見消費者のためと思えるようなサービスだけど、実は金融会社が儲けるための方法というわけだ。金融会社も自分たちが儲けないといけないから、そういったサービスを提供しているのはある意味しょうがないんだけど、マネーリテラシーがある人は絶対にリボ払いなんて使わないということは覚えておいて。

良い借金とは

ここまでの話を聞いて「借金は怖い」という感じがしているかもしれないけど、必要以上に怖がらなくてもいい。むしろ場合によっては借金したほうがいいケースもあるという話をこれからしていこうと思う。

たとえば大学に行きたいけど家が貧しくて大学に行く費用が出せない場合を考えよう。大学へ行くのをあきらめて、高校卒業後、すぐに就職する道を考えるかもしれないけど、日本社会は今でも学歴社会で高卒の人と大卒の人では生涯年収が4000万円ほど違うと言われている。もし大学に行かず、高校卒業後すぐに働き始めたら短期的に見るとお金を節約できるかもしれないけど、長期的に見たら損してしまうんだ。

大学卒業には最低4年の時間がかかるけれど、高校卒業後すぐに働いた場合、その4年で稼げるお金は4000万円には遠く及ばないはずだ。平均的に高卒の年収は300万円弱と言われているから、4年で多くても1200万円しか稼げない。一方、大学4年間の学費は私立大学へ行ったとして400~600万円くらいで、そこに生活費を含めて考えても節約生活をするなら総額1000万円にもならないだろう。ということは4年間大学へ行くことで4000万円―1200万円―1000万円=1800万円は将来的に得をすると考えることができる。これは大学に行く費用と時間をかけることで将来1800万円のリターンが得られる投資をしていると考えてもいい。大学卒業後、定年まで40年ほど働くことを考えると、毎年40万円以上(1800万円÷40年=45万円/年)プラスに給料がもらえるという計算だ(サヤカとシュンが60歳になるころには定年というものがなくなっているかもしれないけどね)。こう考えると、たとえ家庭が経済的に苦しくても、奨学金などの制度を活用して大学へ行くことを選んだほうがいいと判断できるし、そのための借金は「良い借金」と呼べると思う。

良い借金の条件

じゃあどんなときに借金してもいいのかを考えると、少なくとも以下の2つの条件が成り立つ場合だと思う。

  1. 借金の金利が小さいこと
  2. 借金した額よりも多くのリターンが見込まれること

奨学金は無利子だったり、利子があっても利率がとても低く設定されている。また大学へ行くことによって得られるメリットも大きいから、奨学金を借りるのは「良い借金」ということになるだろう。他の例では、住宅ローンなんかも金利が小さいし、マイホームを手に入れることによって得られる幸福感が大きいと判断するなら「良い借金」になり得る。

ただ、金利が実際に低いのかそれとも高いのかといった判断は、そのお金を借りることで将来得られるリターンの大きさ次第ではあるよ。極端な話、金利18%でも将来得られるリターンが100%(つまり2倍の価値になる)なら金利は小さいと言えるし、何もリターンを得られないものに使うのなら金利1%でも高いと言える。つまり「良い借金」かどうかは将来得られるリターンとの相対的な価値次第ということだ。

まとめ

借金はすべて悪いことではなくて、賢くお金を借りて人生の選択肢を増やすというのはマネーリテラシーの1つとして覚えておいたほうがいいと思う。場合によっては借金したほうが豊かな人生を歩むことができるということが分かってもらえたら、今回の話をした意味があるかな。

今日の話はここまで。じゃあまたね。